北島三郎全曲集 2007

北島三郎 北島三郎全曲集 2007歌詞
1.ひとすじ

作詞:久仁京介
作曲:原譲二

花ならば春の 初桜
月なら秋の 十三夜
男意気地を 貫き通し
修羅の巷を 生きてきた
嘆かず媚びず 世の中の
古い男で いいじゃないか

泣ける時ゃひとり 泣くがいい
恨みと夢は 紙一重
おれが信じて 選んだ道を
惚れたあいつも ついてきた
人生半ば この世間
熱い情けが いいじゃないか

晴れ渡る空に 富士の山
高嶺の雲も 勇ましく
放つ光の その影となり
人をささえて 自らも
男のすじを 通しつつ
生きてゆくのも いいじゃないか


2.終着駅は始発駅

作詞:佐東ひどる・星野哲郎
作曲:中村千里

背なかを合わせて あばよと言えば
おまえの震えが 伝わるぜ
死ぬほど惚れて 死ぬほど泣いた
涙は頬を ぬらしても
終着駅は 始発駅

ふたりのしあわせ 祈っているよ
ふり向かないで 行ってくれ
ひとつの愛は 終ったけれど
明日がおまえを 待っている
終着駅は 始発駅

函館止まりの 連絡船は
青森行きの 船になる
希望を捨てるな 生きてるかぎり
どこからだって 出直せる
終着駅は 始発駅


3.灯台あかり

作詞:奥田龍司・原譲二
作曲:原譲二

故郷(ふるさと)へ 帰りたい
海の向こうの ふるさとへ
北の海峡 のり越えて
飛んでゆきたい カモメになって
いつかいつかを 夢みて暮らす
波また波間の 灯台あかり

流れ雲 伝えたい
無事でいる身を 今日もまた
渡る海峡 海鳴りに
苦労積み荷の 人生航路
何も語らず 明日のために
照らせ標(しるべ)の 灯台あかり

おふくろに 逢いたいなあ
今朝も夢見て 目をさます
津軽海峡 船がゆく
呼べば届くさ 心の声も
命一輪 咲かせてみせる
熱い想いの 灯台あかり


4.仁義

作詞:星野哲郎
作曲:中村千里

(セリフ)お控えなすって!手前 生国と
発しまするところ関東です

天に一つの陽があるように
この世に道理がなくてはならぬ
どんな立派な素ぶりより
ひとはこころだ
こころをすててどこへゆく

(セリフ)早速のお控え有難うござんす

義理で始まり仁義で終る
いっぽん道だよおいらの旅は
どうせ短い いのちなら
ぱっと燃やして
世間の隅を 照らしたい

(セリフ)お見かけ通りの若輩者です
以後よろしゅうお頼み申します

ばかとあほうの兄弟がらす
あばよで別れて行こうじゃないか
男同志で のむ酒がなぜか今夜は
ひとしお胸にしみるのさ


5.函館の女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

はるばるきたぜ 函館へ
さかまく波を のりこえて
あとは追うなと 言いながら
うしろ姿で 泣いてた君を
おもいだすたび 逢いたくて
とても我慢が できなかったよ

函館山の いただきで
七つの星も 呼んでいる
そんな気がして きてみたが
灯りさざめく 松風町(まつかぜちょう)は
君の噂も きえはてて
沖の潮風 こころにしみる

迎えにきたぜ 函館へ
見はてぬ夢と 知りながら
忘れられずに とんできた
ここは北国 しぶきもこおる
どこにいるのか この町の
ひと目だけでも 逢いたかったよ


6.ソーラン仁義

作詞:半田耕吉
作曲:成田武夫

手前生まれは
ソーラン節の
歌でなじみの 北海生まれ
夜の酒場を 露路裏づたい
流す男の 仁義には
意地と苦労が しみている

手前ひとりで
津軽を越えた
ケチな野郎さ 道産子かもめ
ギターゆこうか のれんをわけりゃ
一つ頼むと声かける
意気がとけあう 人もある

手前生まれは
しぶきがかかる
銀のウロコの にしん場育ち
惚れたあの娘も 待ってはいまい
風の噂じゃ 他人の妻
そうだ忘れて 生きるのさ


7.加賀の女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

君と出逢った 香林坊の
酒場に赤い 灯がともる
ああ 金沢は 金沢は
三年前と おんなじ夜が
静かに俺を 待ってる町だ

忘れられよか 天神橋の
たもとにのこる 物語り
ああ あの女も あの女も
おもいの糸の 細白糸を
かけるか遠い 都の空に

謡曲がふるふる 加賀宝生の
木洩れ陽青い 石だたみ
ああ 金沢は 金沢は
身も世もすてて あなたのために
生きると云った 君住む町よ


8.風雪ながれ旅

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

破れ単衣に 三味線だけば
よされよされと 雪が降る
泣きの十六 短かい指に
息を吹きかけ 越えてきた
アイヤー アイヤー
津軽 八戸 大湊

三味 が折れたら 両手を叩け
バチが無ければ 櫛でひけ
音の出るもの 何でも好きで
かもめ啼く声 ききながら
アイヤー アイヤー
小樽 函館 苫小牧

鍋のコゲ飯 袂で隠し
抜けてきたのが 親の目を
通い妻だと 笑った女の
髪の匂いも なつかしい
アイヤー アイヤー
留萌 滝川 稚内


9.なみだ船

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

涙の終わりの ひと滴
ゴムのかっぱに しみとおる
どうせおいらは ヤン衆かもめ
泣くな怨むな 北海の
海に芽をふく 恋の花

クルクル 帆綱を 巻きあげて
暁の千島を 忍び立ち
あてにゃすまいぞ ヤン衆かもめ
舵であやつる 舟のよに
女心は ままならぬ

惚れたら 遠慮は できまいが
いやというなら ぜひもない
夢をみるなよ ヤン衆かもめ
にしん枕に 北海の
月に哀しや 泪船


10.峠

作詞:木下龍太郎
作曲:原譲二

ここでいいなら 頂上だけど
先を見上げりゃ まだ中半(なかば)
男なりゃこそ 他人(ひと)より重い
夢を背負って 登りたい
峠と言う名の 一生を

命綱より 離せぬものは
惚れたお前の 心杖
こんな男の 明日に賭けて
共に歩いて 呉れるのか
峠と言う名の 一生を

花と散るとき 男は見たい
生きた証の 足跡を
一歩一歩を 大地に刻み
天を目指して 登りたい
峠と言う名の 一生を


11.漁歌

作詞:山田孝雄
作曲:浜圭介

俺が網を引くのはよ
可愛い女房と子供によ
腹一杯 飯を食わすためなんだよ
坊の岬に桃花咲く頃
今年も鰹が 鰹が来るぞ
はまらんかい きばらんかい
東支那海は 男の海よ

俺が海で死んだらよ
可愛い女房と子供はよ
どうして生きる 嵐にゃ負けるものかよ
夫婦鶯 裏山で鳴く頃
今年も鰹が 鰹が来るぞ
はまらんかい きばらんかい
沖は荒海 男の海よ

はまらんかい きばらんかい
東支那海は 男の海よ


12.歩

作詞:関沢新一
作曲:安藤実親

肩で風きる 王将よりも
俺は持ちたい 歩のこころ
勝った負けたと 騒いじゃいるが
歩のない将棋は 負け将棋
世間歩がなきゃ なりたたぬ

あの娘いい娘だ 離れもせずに
俺を信じて ついてくる
みてろ待ってろ このまますまぬ
歩には歩なりの 意地がある
いつかと金で 大あばれ

前に出るより 能なし野郎
吹けば一番 飛ぶだろう
だけど勝負は 一対一よ
王将だろうと 何だろと
後にゃ引かない 俺のみち


13.北の漁場

作詞:新條カオル
作曲:桜田誠一

いのち温めて 酔いながら
酒をまわし飲む
明日の稼ぎを 夢に見て
腹に晒し巻く
海の男にゃヨ 凍る波しぶき
北の漁場はヨ 男の仕事場サ

沖は魔物だ 吠えながら
牙をむいてくる
風にさらした 右腕の
傷は守り札
海の男にゃヨ 雪が巻いて飛ぶ
北の漁場はヨ 男の遊び場サ

銭のおもさを 数えても
帰るあてはない
二百浬を ぎりぎりに
網をかけてゆく
海の男にゃヨ 怒 が華になる
北の漁場はヨ 男の死に場所サ


14.帰ろかな


15.その名はこゆき


16.年輪

作詞:関根縋一・石本美由起
作曲:原譲二

雪の重さを はねのけながら
背のびしたかろ枝も葉も
山に若葉の春がくりゃ
よくぞ耐えたと笑う風
苦労 年輪 樹は育つ

みどり絶やさぬお山の掟
守りつづけて子や孫に
強く伸びろと親ごころ
枝を切る木に血が通う
苦労 年輪 樹は育つ

いつか世に出て大黒柱
夢のようだか夢じゃない
願い重ねた歳月に
熱い想いが生きている
苦労 年輪 樹は育つ